少し前になりますが、10月23日、24日に金沢市で開催された、第45回日本腎臓学会西部学術大会に出席して参りました。大会長の横山 仁:金沢医科大学医学部腎臓内科学教授は、ネフローゼ症候群の研究に大きな実績があり、また同大学と金沢大学は糖尿病性腎症の研究において有名である関係で、大会でもネフローゼ症候群や糖尿病性腎症に関する最新の知識をまとめる機会が多かったような気がします。また、横山教授は日本腎臓学会の腎生検患者登録システムであるJ-RBRのまとめ役で有り、J-RBRは日本腎臓学会における臨床研究の大きな柱となっているため、それに関係する報告もありました。大変充実した学会との印象を持ちました。
ところで、私は腎臓内科学を主たる専門とし、その延長線として透析専門医資格を有しています。腎臓内科では患者さんの腎臓病をできれば治し、それができないなら少しでも透析導入を遅らせるような治療努力をいたします。一方透析医療においては、透析患者さんの生命予後やQOL(生命或は生活の質)の改善に主眼が置かれています。これらの間には微妙な差異があり、食事療法や薬物治療などにも一部違いがあります。しかし、何れにおいても、患者さんに「元気に」「長生き」してもらうことを目指していることには変わりなく、そのために日々勉強を怠りなくしています。当クリニックでは透析患者さんのみの治療に当たっていますが、豊中緑が丘病院の週2回の外来では透析をしていない腎臓病患者さんを診療しています。これにより慢性の腎臓病治療から透析療法まで、所謂「シームレス(継ぎ目の無い)」治療ができ、少しでも患者さんの苦痛を減少することができるのではないかと考えています。今後ともよろしくお願い申しあげます。
平成27年11月16日 豊中けいじん会クリニック 院長 福永 惠